【Common Journal vol.15「yoshida coffee sangubashi 吉田佳照さん」】

コモンにまつわる日常の風景や物語をお届けする『Common Journal』。第15回は、東京・参宮橋「yoshida coffee sangubashi」の店主、吉田佳照さんをゲストにお迎えしました。

吉田佳照|Yoshiteru Yoshida
1965年11月 岩手県盛岡市生まれ
20代前半よりモデル・俳優業
1996年よりフレンチレストランカフェ
2014年よりオーストラリア発のカルチャーブランド併設のカフェ
2022年9月 yoshida coffee sangubashi オープン
現在に至る

小田急線・参宮橋駅から徒歩5分。明治神宮の杜にほど近く、穏やかな空気が流れる街並みを抜けると、住宅街の一角に「yoshida coffee sangubashi」はあります。オープンして丸4年が経ちました。

吉田さんにとって、1990年代にフレンチレストランのギャルソンとして過ごした時間が、その後の大きな転機となったそうです。

「原宿の空間にフランスのカフェ文化と、さまざまな国の人たちが混ざりあっており、食事やお酒、コーヒーを介して多くの人が集まり新しい文化が生まれました。またコーヒーというものが人々に根付き、発展していくことが驚きで、それを仕事にできることがとても幸せだと思うようになりました」

2014年からは新天地へ。「オーストラリア発のカルチャーブランドで、当時はまだ新しいムーブメントだったカフェが併設されていました。アパレルとカルチャーが交差する世界で、バリスタとしての経験を積ませていただきました」と振り返ります。

2022年、参宮橋で小さなコーヒー屋さんをオープン。お客様との距離感を何より大切にしたい、何事もなるべく自分でやりたい。そんな思いでスタートしました。

yoshida coffee sangubashiの店内には黄色が効果的に使われていますが、最初からそうしようと考えていたわけではありません。もともとは、シンプルに何も置かない空間にしようと思っていたそうです。

そんな店のイメージを変えたのが、ご友人からプレゼントされた一枚のポスターでした。スペインの『SOLO Magazine』のもので、ナンバリングは44。そこから少しずつ、店の中に黄色が増えていきました。コンセプトを決めて選んだのではなく、偶然の出会いをきっかけに、店の風景が変わっていったのです。

Commonの器との出会いも、やはり黄色がきっかけでした。ドーナツ皿を探していたときに、たまたま見つけたそうです。小さいプレートはサイズを測らずに注文したところ、思っていたより小ぶりだったのだとか。取材当日には「コースターとして使っています」と吉田さん。

今回、Commonのマグカップも実際に使っていただきました。吉田さんに使い心地を聞いてみると、返ってきたのは「普通」という一言。

Commonのプロダクトを開発するうえで、「普通」は大切なキーワードです。目立ちすぎず、使う人の邪魔をしない。料理や飲み物を引き立てながら、手に取ったときに自然となじむ。吉田さんも実際に使いながら、持ち手の形や握り心地、口をつけたときの感触、色の見え方など、細かなところを観察していました。

装飾性を抑え、「ただ使う」ことを大切にしているCommonにとって、「普通」とは決して物足りないという意味ではありません。日々の暮らしの中で自然と手が伸びるもの。そんな存在を目指しています。

yoshida coffee sangubashiでは、自家焙煎のコーヒーはもちろん、一緒に楽しめるスイーツも吉田さんの手づくりです。ケーキ、クッキー、アイスクリーム。そのどれにも、吉田さんならではのセンスが光っています。

「黄色が好きな理由のひとつに、『幸せの黄色』『元気になる黄色』という想いがあります。お店に来てくださる方に、コーヒーを通して笑顔と元気の恩返しができたらうれしいです。Commonさんとの出会いにも感謝しています。オリジナルのマグカップの製作も考えています」と吉田さん。

吉田さんをモチーフにした人形は、アーティスト・長谷川有里さんによるもの。

黄色いポスターから始まった店の風景も、偶然出会ったCommonの皿も。yoshida coffee sangubashiは、吉田さんが重ねてきた出会いと、お客様の笑顔でできています。等身大の吉田さんに会いに、ぜひ参宮橋まで足を運んでみてください。

yoshida coffee sangubashi 
住所:東京都渋谷区代々木4-21-12
営業時間:8:00~17:00
定休日:日曜、月曜(変更あり)
Instagram:@yoshida.coffee.sangubashi

撮影:阿部健 @t_a_b_e